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●「ど~したらいいの?」

ライター:ダース=トリオムーン@ミナロ
以前、別の会社に勤めていた時の話。(と、仮定しての話)

プレス屋に居た(事にした)のだが
「樹脂モノの試作屋」の営業が板金の仕事を
ちょくちょく持ち込んできていた。(と、仮定してみよう)

この営業が使えなくて
自分の受けた仕事の内容なんてこれっぽちも把握していない。
どんな簡単な問い合わせでも発注元に確認しないと返答できない。
しかも、段取りが悪いので、いつも短納期。
納品しても言いがかりとしか思えないクレームで帰ってくる。
ただ発注元に言われた事をこちらに持ってくるだけ。
(どこ行っても、何か聞かれても答えられないからね。)
しわ寄せがいつもコチラに来ていた。
只の「伝書鳩」野郎だ。

はっきり言ってこんな奴に対しては
「お客様は神様です。」なんて言葉はあり得ない。
しこたま、金を払ってくれるなら話も別だが
そんな事は無い。「次の仕事で穴埋めを。」
といつも言うが、いつ「次」が来るのやら。
いつも苦々しく思っていた。
(思い出すだけでむかつく!)

ある日のこと
そこの仕事を納期ぎりぎりでやっと作り
最後の塗装のために、朝一で品物を塗装屋に持ち込んだ。
塗装屋へは車で小一時間、渋滞すればもっと掛かる。
翌日には納品だ。翌朝には塗装屋へ引き取りに行かねばならない。
無理言って一日で塗ってもらう様に頼み込んでおいたのだ。
(製造業はどこも一緒。)

すると、自分んとこの社長から携帯に電話が。
「持って行った塗板が必要だから持って帰ってきてくれ。」

「は???(訳わかんねぇ)」

塗装のサンプルを発注元メーカーから借りていたのだ。
50x150位の薄いアルミ板にサンプル色が塗ってある。
塗装屋さんはこの塗板をみながら調色をして塗装をするのだ。
塗板無ければ調色が出来ない、即ち塗装が出来ない。

その塗板を
「自分の会社で作った樹脂部品を塗りたいので返してくれ。」と
「伝書鳩」から電話があったのだ。
「これから会社の方へ取りに来る。」だと。

塗板は一枚しか無い。いくらベテランの塗装屋さんでも
一目見た色を覚えて調色、なんて出来るわけがない。
持って帰れるわけ無いだろが!
相変わらず無茶苦茶言ってきやがる。

「ど~したらいいの?」

ここで賢い私はひらめいた。「!!」
塗装屋の近所に仲の良い板金屋さんがあったのを思い出した。

「塗板を二つに切っちまえ。」

半分に切っても、もともとアルミ板に色が塗ってあるだけのモノ
実用上は問題ない。
発注元から借りた塗板なのでやばいと言えばやばいのだが
事情を説明すれば判ってくれるだろう。許可を貰っている時間もない。
「伝書鳩」に言っても時間の無駄だ。
自分んとこの社長に言っても駄目だろう、そんな要求を素直に聞いちゃうんだから。
最悪、自分が謝りに出向いてやる。時間があれば新たに作ることも出来る。

なにより、先ずは「伝書鳩」がメーカーに謝りに行くだろう。
これは、面白い。奴の困った姿を想像した。
社長には「はい。」とだけ答えて電話を切った。

そんなこんなで、独断で塗板をシャーリングで切って貰い半分を持って帰った。
勿論、塗装屋にはサンプルを新たに作って貰う事を了承してもらって。
(リカバーの手はずは整った。)
半分の塗板をみたら「伝書鳩」はどんな顔をするのか、楽しみだ。

会社に帰ると既に「伝書鳩」が来て社長と事務所で話していた。
社長と「伝書鳩」の前に半分の塗板を黙って置いた。
「まずいな。」「伝書鳩」がぼそっと言った。

「半分でも、色は判るでしょう。」と
私は(なにがまずいの?判んな~い。)ってな顔で一言残して
すぐに仕事場に引っ込んでしまった。

慌てて会社に帰る「伝書鳩」の車が見えた。
「さまあみやがれ!」

そして、程なく昼休み。事務所に行くと社長が
「あれはまずいよ。」と私に言うではないか。
私は「そうですか。」と答え、会話はそれで終わり。

まずいのは百も承知の上での行動。だが自分ではベストだと思っている。
なにより奴に多少なりとも<復讐>出来たので
ほめられこそすれ、叱られるとは思ってもみなかった。
(本当は予想はしていたんだけどね。)
こんな時でも「お客様」(伝書鳩の事だよ。)を優先する
社長が情けなく思え、悲しくなった。

現場の「志気」なんてどうでもいいのね。金の為にガマンしろと。
たとえあんな客でも金を運んで来てくれる。
<顧客第一>。これが正しい経営者の態度なのだろう。
あんなに現場の雰囲気を悪くする、現場の志気を削ぐ仕事でもお金が大事。
経営者の責任を経験した事が無い私には理解できない。
それでもガマンしてお金を頂かなければ会社って経営できないのか?
客観的にみて、奴のとこの仕事が無くなってもさほど影響はなさそうなのだが…。
そんなに大変なの?経営って。(良かった、経営者じゃなくって。)

このジレンマに社長も悩んでいるのか?(悩んでいて欲しいけど…)
だったら、「あれはまずいよ。…でも良くやった。」って笑うよな、私なら。
だって、他の客ならいざ知らず、あの使えない「伝書鳩」だよ。
ってことは、悩んでいない。金の事だけ、人間の事なんか考えちゃいない、って事か?
たとえ「伝書鳩」でも差別しない。他のお客と同格に扱う。
さすが経営者のかがみ!<売り上げ第一>

だから、安い給料しか払えない、って言うくせに自分だけあんなデカイ家を建てられるのか?
口では厳しいっていってるけれど、副業で料理屋なんか開けるのか?
平日に泊まりがけで家族旅行に行ったり、釣りに行ったり出来るのか?
まあ、過去の事は判らないし(景気の良いときがかつてはあったらしい。)
元々金がある家だったのかも知れんが。(でも、二代目か三代目だよな、確か。)
でも、もう何十年も働いてる先輩はみんな貧乏みたいだよなぁ。
良い時もあったんじゃないの?その頃の稼ぎはどこへ?(浪費癖があんのか?)

社員の感情より会社の利益を優先する。それが「経営」ってもんだ。

会社の利益????会社って誰の事????社員以外????

と、つらつらと書いてきたが。
仮定の話なので、こんな人たちがいたらどうだろう?
って想像して書いてみました。

こんな事がもしあったら「ど~したらいいの?」


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